季節の一枚

最近の撮影より


鵜飼の宵
鵜飼の宵 《平成30年6月下旬》
憂鬱なお天気が続くこの時期は、ついつい腰が重くなってしまいます。 無表情な空の日はともかく、雨降りは思わぬ傑作が撮れる機会でもあり、今年こそはと意気込む事も・・・今のところ至る事もなく・・・
そんな日々が続いて気付けば早月末、数年来の鵜飼いの作品の撮り直しをと犬山へ。 同じ県内とは言え三河人にとって尾張、特に名古屋より北は余り出向く事のない薄縁の地。 数時間ながら久しぶりの“お出掛け”をしてきました。
実は前作、屋形船の動きに合わせて移動しながら止まってはの長時間露光撮影だった事もあり、今年になって編集の手直しをしようと久し振りに拡大画像を確認したところ、盛大にカメラブレしていた事が発覚。 再挑戦の機会を窺ってはいたのであります。
この間の機材の進歩で高感度性能は向上。 さらにレンズも2倍テレコンから1,4倍を選択した事でも一段有利(合成開放絞りf/5,6からf/4へ)な撮影が可能になりました。 当日は梅雨らしいはっきりしないお天気でしたが、一年で一番日の長い時期でもあり、前回よりも大分明るい作風に仕上げられました。 屋形船はもう少し手前で切り取りたいところでしたが、そんなに都合良く電車はやって来てはくれません。 ただ、画像を拡大して観察してみれば、仕事に励む鵜が四・五羽確認出来る解像度は期待以上。 低速シャッターなのでさすがに被写体ブレは否めませんが、動きの少ない鵜匠や船頭さんに至ってはくっきりと写し止められていました。 出来ればもう少し望遠で鉄橋と鵜飼いに絞り込んだ画角で切り取れば、その迫力も表現出来たとは思うのですが、それには超高価な高性能望遠レンズが必須となります・・・
ちなみにこの鉄橋、初めて訪れた三十年程前は道路との併用橋でした。 パノラマカーや北アルプス号などがそろそろと自動車をかき分け走っていた記憶が甦って来ます。 今では隣に道路専用橋が増築され、鉄道橋に敷かれていたアスファルト路盤も撤去。 珍しい鉄道風景の面影は残念ながら至って凡風景になってしまっています。 そう言えば、そのすぐ北に位置する新鵜沼駅にあったうらぶれた国鉄連絡線は、立派な近代的アスファルト道路と化していました。 名鉄の電車自体も全く何の魅力もない存在に成り下がってしまい、そちら共々残念な合理化と言う名の“改善”。
画面更にその奥、背景に写り込む国宝・犬山城天守。 その屋根に構える鯱が落雷で被災したのは去年の夏、今年になって見事修復され、以前の様な優美なシルエットを取り戻した歓待の心意気は歓迎すべき方の“改善”。


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